独立開業とcafé sweets vol.182
望さんが10年以上も昔から愛読していた雑誌『カフェスイーツ』に掲載していただきました。
取材の依頼をいただいたのは数ヶ月前でしたが、純子さんもやはり昔から愛読していたとのことでふたりとも大喜びでした。飲食業界誌としてはオーソリティであるカフェスイーツは「いつか自分のお店を持ちたい」「小さくてもいいから独立したい」と思っている人たちの指南書としての役割があるように感じます。
4ページにも渡って独立開業の記事として掲載していただいています。
「独立開業」についてはこれまでの誌面を見てもかなり具体的で「いくらかかったのか?」「目標に対して月の売り上げはいくら?」「お店は何坪?席数は?」「資金調達はどうやって?」といった誰もが聞きたくても聞けないような質問が公開されていますし、たしかに取材の際も同様の内容です。
言われてみれば「資金をどうやって調達したのか?」は僕が読者なら特に聞きたいところです。僕も未だに何かのプロジェクトを見たときに「これをやるのにいくらかかって、どうやって調達したんだろう。」と普通に思うわけです。賃料は都市部と地方都市を比べれば場所によっては雲泥の差ですが、例えば厨房機器は全く変わらないわけです。
賃貸保証金額は違いますが、設備にかかる投資は都会も田舎も基本一緒です。あとは中古でうまくまとめるとか、ただみたいな物件を探すとかそこから先はやる人によって大きく分かれていきます。千差万別、十人十色。
飲食店は立派なサービス業でそれなりにやろうと思えば小さいお店だとしてもそこそこかかるものですし、それなりにかける必要もあるとすら思います。誰だって安くやりたいのは一緒ですが、やはり「勝負」するためにリスクは必然必要だと思うわけです。リスクがないところには得るものはないとも思います。勝負と言いましたが、言わずもがな、その相手は自分です。
都市部で飲食店をやるときに大きく伸し掛かってくるのがとにかく「家賃」だと思います。家賃のために働いている印象があるお店は決して少なくないと思います。「それでも人が多い。マーケットがある。=可能性がある。」これはたしかにそのとおり。地方都市は場所によってはタダ同然の賃料ですが、「人がいない(少ない)」。
どっちもどっちのように思いますし、どちらが正解だとも思いません。やはりどういう雰囲気やライフスタイルでやりたいのか。大きくスケールさせていくためにやるのか、暮らすように小商いサイズでやるのか、そのあたりによって全くやり方は変わってきます。僕たちは断然後者だったわけです。
島根、特に石見地方は一般的にマーケティング外だと僕は認識しています。事実、大きなチェーン店はありませんし、これから来るとも考えづらい。
けれども、少ないながらにも数万人が生活していますし、数万人の食欲を満たす場所が必要なことは間違いありません。なので僕らにとっても十分「可能性」があります。というかそう考えるべきでしょう。都市部と比較する必然性は全くなく小商いサイズで決定です。ここにチャンスを感じることができる人にはまだまだチャンスがありますし、そう思わないなら手をつけるべきではないでしょう。それもひとつの答えです。
そんなことを彼是を考えながら読むとおもしろい雑誌です。「この人はどんなことを考えて開業したんだろう。」とか背景を想像するような。たくさんの方の事例が掲載されているので興味のある方にはおすすめです。蔵庭にも数冊設置させていただこうと思っています。
(余談ですが、先日のVege&Fork Marketにはじめて出展してくれたお店も載っていてびっくり。あちらも気づいてくれたらうれしいですね。)
お客様が置いていったメッセージを発見。心からうれしく思います。
ずっとずっと開店の志を忘れずに。