蔵庭で2年が経ちました!

2015年7月24日、オープンから2年が経ちました。「2周年記念!」と謳った特別なことはなく、普通にこの日を迎えていく望さん、純子さん、そして僕です(笑。

写真はこの物件の大家様からお祝いにいただいたリースです。いつも気にかけ、応援してくださいます。約3年前にこの場所を借りたいと言った直後に市役所の方が”仲介”に入って都心部に住む大家さんを紹介してくださいました。ざっくりした企画書を持参し訪問させていただいたのですが、快く飲食店向けのリノベーション受け入れてくださいました。開店後も春や秋の連休にご家族やご友人と来てくださいます。とても良い関係を築きながら今日に至っています。こういう関係がなければ蔵庭はできていません。この先も関係性を大切にしていきたいと思っています。

温泉津にいらっしゃるお客様から明るくペイントされた素敵なお手製の器をいただきました。このお客様も節目になるといつも気持ちを表現してくださる大切な方です。食の意識もある方で蔵庭の存在をいつも喜んでくださるんですね。こういう方が同じ地域にいるのは本当に嬉しいことです。

2周年ですが、自分たちの2年間を振り返り、気持ちを新たに引き締める、そんな一日が大事だと感じます。

視察関連やイベント関連で少しお話させていただくときに「島根に移住して本当によかった。」という僕の中でのお決まりのフレーズがあります。個人的感覚ですが、これは全く嘘偽りのない、本心です。

充実した仕事があって、自分が幸せになる、だから家族の幸せがあるという順番

もう自分で仕事をつくって生きていくしかないな、ということを7年前に決めたわけですが、なんとかそういう風になりつつある島根での暮らし。

「好きだからやる、楽しいからやる」という感覚はもちろん持ち合わせています。ですが、生計が成り立っていることが前提です。でなければ遊びにも好きなことにも楽しいことにも僕は没頭できません。ただの現実逃避にしかなりません。一生懸命仕事するからオフが楽しいですし、おいしいものが美味しく食べられるということ。それを島根の暮らしの中で体現できているので胸をはって「島根に移住して本当によかった。」と言えます。

もっとも今の僕は仕事のオンとオフの境界が曖昧で、常に遊んでいるような、常に仕事しているような、そんな状態です。

これが30代前半からの理想像でもありました。自分がやっている仕事が常に楽しくできるなんて、こんな幸せなことはあるのでしょうか。「これからの人生どうしようか。」ばかり考えていたサラリーマン時代には考えられない日々を過ごしています。僕がそういう状態であれば家族はおそらく幸せで、活き活きと日々を生きている父親像を息子に見せていきたいなといつも思っています。島根に導いてくれたのは妻だと思っているのですが、感謝しないとですね。

石見地方に同じような価値観や仕事の考え方、生き方を持っている友人(仕事仲間)の存在はとても大きく、一緒に仕事をする方々にいかに喜んでもらえるかが今の僕の原動力になっています。彼らのためならもっと働きたいとも思うほどです。人口が少ないとか市場がどうとか「できない理由」はどうでもいい話です。

江津市が標榜している「GO GOTSU! 〜山陰の創造力特区へ。」の僕なりの解釈は”自分自身が明日をもっとよりよく生きよう、それは自分の創造力次第でどうにでもなる、何かに囚われず好きな暮らしをしよう”と思えることです。クリエイティビティは誰もが本来持っているものでしょう。こういうスピリットを持つ人が多くいれば町が活き活きとしてくるんじゃないかと思います。少なくとも僕にとってこんなに自由に生きていられる江津、島根は最高です。

 

蔵庭に興味を持っていただき、ありがとうございます。
2年前も暑い一日でした。
初心を忘れず、気持ちを持って蔵庭を続けていきたいと思っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

蔵庭:戸田耕一郎