連休御礼と振替休日

yunotsu

ご先祖や自然に感謝をささげる仏道精進の期間であるお彼岸(秋分の日前後)の語源は、サンスクリット語「パーラミター(波羅蜜多)」の漢訳語「到彼岸」からきているとされています。今年の連休は晴天続きで絶好のお彼岸日和でした。江津市内もまるでお盆のように色々な町の車のナンバーを目にしました。蔵庭も家族連れが特に多く、金土日月火と続く連休中の営業でしたがたくさんの方が足を運んでくださいました。おかげさまでそれなりの達成感を感じつつ、”怒涛の5日間”を無事に終えることができました。

kuraniwaは僕を含めた5人のフルメンバーで営業。まちづくりや地域活動を仕事にしている新しいスタッフのみんなも調理補助、ホール、ドリンク&スイーツとだんだんと慣れてきているように思います。主体的に仕事をこなすようになると仕事は格段におもしろくなりますし、忙しいときというのは特に仕事を吸収できるものです。

ランチタイムは一極集中でして、連日お待ちいただく方が多かったのですが、シェフがひとりということもあり、どうしてもサーブするのにお時間がかかってしまい、ゆえにテーブルにご案内するのも遅くなってしまいます。それでもお待ちくださる方のほうが多いのですが、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。11:00からのランチスタートに備え、キッチンには毎日緊張感が漂っていますが、できるだけスムーズにご案内できるよう心がけていきたいと思っております。

tsumugi(パン店)も最少人数で営業していますが、この期間は13:00過ぎにはほとんど完売状態で、出しても出してもすぐになくなってしまいます。おそらく遠方から来られた方が多く(僕もレジのタイミングで結構な頻度で聞いています。)「せっかく来たから」ということでおみやげを含めたくさんパンを買って帰られる方が目立ちました。tsumugiも同じくひとりのパン職人がやっていますので量産型ではありません。

繁忙期という言葉がありますが、むろん「商売人」としてはたくさん売り、数字を作っていきたいと思っています。4人がけのテーブルがあと2つあれば…とつい思ってしまいます。ですが、「小さく、等身大で、できるかぎり、丁寧にやる」ことを大事にしていくことはこれから先も変わることはないと考えています。それが蔵庭のコンセプトであり、こういう場所(山中間部)でやることの意味合いであり、それが初心であるからです。僕はできる限りお客様の顔は覚えたいと思っていますし、もう一度来ていただけるような空間や雰囲気づくりをしていきたいと思っています。

この古邸(蔵庭)は賃貸型なのですが、大家さんが東京からご家族で来てくださいました。オープンまでのプロセスは春頃からお伝えしていましたが、いざ見ていただくのは初めてですし、味わっていただくのもはじめてでした。結果的に蔵庭全体をとても喜んでくださったように思いましたし、僕も念願が叶い、ちょっとほっとしたところです。また僕の雑誌連載を読んで蔵庭に来てくださった温泉津で窯元を経営されている方は、僕と妻に素晴らしい作品をプレゼントしてくださいました。(写真:上)食スタイルも玄米菜食なので気が合いますね。島根は焼物の名産地で、素敵な窯元がたくさんあることで有名です。こういう雰囲気の中で仕事をすることは東京ではあまり縁がなかったことでして、実に新鮮です。

まだはじまったばかりの蔵庭ですが、飲食経験の有無は僕の立ち位置ではほとんど関係ないかもしれないと強く思うようになってきています。「美味しくて楽しい場所」というのが蔵庭の本質ですので、「美味しくて」は二人のプロに全て任せて、僕は「楽しい場所」にフォーカスしていこうと思っています。連休中来てくだったたくさんのみなさま、お待たせしてしまった方もたくさんいらっしゃいましたが、どうもありがとうございました。

振替のお知らせ:

23日(水)、24日(木)は臨時休業とさせていただきます。25日(金)から通常営業になります。どうぞよろしくお願いいたします。