ここは島根県江津市の中山間部にある静かなカフェ&ベーカリー「蔵庭」。
この古邸にある「大きな蔵」と「広い和庭園」が印象的で、蔵庭(くらにわ)と名付けました。
コンセプトは食、地域、心身。
Eat Real Food(「正しいものを食べよう」)やYou Are What You Eat(「あなたはあなたの食べたものでできている」)という考え方は私たちにたくさんの気づきを与えてくれています。
不自然なものを使わずに地域の農家さんの手で育てられた新鮮な野菜をそのままに、できるかぎり安心・安全な食材で仕上げた朝食やランチが楽しめるベジタブルキッチン、kuraniwa(くらにわ)。
国産の小麦を使い、素材にこだわって丹念に焼き上げるベーカリーショップ、tsumugi(つむぎ)。
グローバリゼーションと大量消費が進んでいく一方で、その土地の伝統やサステナブルな食文化と食材を見直す”スローフード”は地域を大切に考えることからはじまっています。
日本全国の空き家は1,000万戸に到達する勢いで増え続けています。
私たち夫婦がこの空き家と出会い、カフェとして活用しようと思い立ったのが2014年初頭でした。日本海のきれいな海岸まで車でわずか5分、蔵庭のすぐとなりには大きな江の川(ごうのがわ)が流れ、見渡す限りの大自然が広がっています。
東京での生活も維持しつつ、「島根で仕事をつくる」と決めた私たちはその年の夏にこの地へ引っ越し、大きな庭と広い室内を掃除しながら二拠点生活をはじめました。そこへ合流した友人が「ここでベーカリーをやりたい。」と言ってくれた日のことをよく憶えています。
2015年2月から一気に動き出した「蔵庭」ですが、全て建築会社にお任せするのではなく、「みんなでワーク」をしながら手作りでお店を作ろうということになりました。テーマは「田舎素材×クリエイト」。ご一緒させていただいた建築デザイン会社は地域との関わりや「地域にあるたくさんの素材を活かし、みんなでモノを作り上げる」ということに肯定的で、建築デザインはもちろん、プロジェクトの進行管理までの全てを監修してくれることになりました。
同年4月と5月に「リノベーションキャンプ」というワークショップ型の改修工事イベントを8日間連続で行い、地域の方々や建築専門の学生のみなさん、知人・友人を含めた多くの方々のご協力により、見事に空き家再生を遂げることができたと感じています。
自分たちが働く場所や空間を自身の手で作ることから得られるエネルギーは特別なものです。
はんだ牛蒡
反田 孝之さん・在帰子さん
(島根県江津市桜江町)
どうしても専業農家になりたい!との思いから、2004年に新規就農。ごぼう、お米、大豆を柱にド過疎の故郷の農地17haを夫婦で守っている。ほとんどの農地で、種以外は持ち込まない「自然栽培」を実践。今や常識化してしまった栄養素信仰や養分供給という概念が、健康や環境のほとんどの問題を招いている、ということを田畑から発信することをライフワークとしている。
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ベジタブルキッチン「kuraniwa」店主。マクロビオティック専門のリマ・クッキングスクール師範科卒。ナチュラルフードスタイリスト。卵、乳製品、白砂糖を使わない焼菓子も展開中。オーガニックでベジタブルなマルシェ、Vege&Fork Market (神奈川)主催。
戸田 耕一郎
Koichiro Toda
(東京都八王子市出身)
蔵庭代表。蔵庭ウェブ、デザインワーク全般、SNS発信担当。デジタルシネマカメラによる映像制作やドローン撮影、写真撮影、ウェブデザインを仕事にするフリーランスのコンテンツメイカー。アウトドア、ヨガ、サーフィンが好き。Vege&Fork Market (神奈川)主催。ブログはこちら。